産婦人科って何?
当院は産婦人科専門です。では皆様の考える産婦人科とはどのような症状、病気が対象だと思いますか?
簡単にいえば、女性特有の臓器を対象とすると考えてください。主に子宮、卵巣、外陰部です。乳腺は乳腺外科です
代表的症状は、月経の異常(月経困難症、月経不順、過多月経など)妊娠関連です。具体的には子宮筋腫、子宮内膜症、卵巣のう腫、子宮がん、卵巣がんなどです。
ところが、産婦人科は、女性のトラブル全般を相談するところ、と認識されている方が多いようです。
こどもは、小児科へ。女性は産婦人科へ。のようなものでしょうか?
ネットをみると、なんでも、女性ホルモンが原因と煽っているような気がします。
内科や耳鼻科に通院され、症状が軽快しないと、女性ホルモンのせいではないか?婦人科で相談したほうが良いといわれ来院される方もいられます。
その結果、最近は次のような症状の方が来院されます。
いらいらする。やる気がおきない。だるい。うつっぽい。
頭痛、冷え、肩こり、足のむくみ。
いわゆる不定愁訴といわれるものです。
自律神経系(交感神経と副交感神経)の乱れが関係してるとも考えられています。
不定愁訴の専門は、主に心療内科です(精神科とは異なります)
四十肩、五十肩はリハビリ科、頭痛は頭痛専門外来にご相談されてはいかがでしょうか?
ホルモンバランスの崩れ?
他科の先生方も、女性ホルモンについてよく理解されてないこともあります。
女性ホルモンをコントロールしているのは視床下部であり、視床下部は自律神経の中枢、ストレスの中枢でもあります。
ストレスで女性ホルモンがくずれ、月経がおかしくなります。
女性ホルモンが崩れるのは、原因ではなく結果です。
崩れているのは視床下部です。
女性の体調不良をすべて女性ホルモンのせいにしてはいけません。
日本女性の、食生活、生活習慣、筋肉量の少なさ、体型なども関係しているかもしれません。
閉経前後(一般的に45-55歳ごろ)は、卵巣の老化が要因で、女性ホルモンが低下することで視床下部が乱れます。それが更年期症状です。
更年期症状はホルモン剤を使うと症状が改善することもありますので、当院でご相談を受けます。
診察の結果、重症の場合は、心療内科受診をお勧めすることもあります。
ただし年齢は、閉経前後の方ですので、ご注意ください。
私は産婦人科専門医として正しい医療をめざしています。
女性ホルモンについてきちんと説明するには、時間がかかります。
しかし、専門外の患者さんが増え、対応できないケースが増えています。
つらい症状に悩み来院されたのに、女性ホルモンのせいではないから当院では対応できないとお伝えしなければなりません。
心療内科とは異なり、お話しをお聞きし、カウセリングを行うこともできません。
女性ホルモンが原因に違いないと思って来院される方には、納得がいかないでしょう。
お怒りなって帰られるかたもいます。
特に月経が順調な若い方は、受診前によく考えてください。
どうぞお願いいたします。